「加法混色と減法混色……名前が似ていて、どっちがどっちかわからなくなる」
管理人も最初は混乱しました。「加法」「減法」という言葉だけ見ても、何をしているのかピンと来ない。
でも「光を使うか、絵の具を使うか」で考えたら一発で頭に入りました。光を重ねると明るくなる。絵の具を混ぜると暗くなる。この感覚を先につかんでしまえば、あとは自然と整理できます。
しかも、スマホの画面と印刷物の色の仕組みが、まさにこの加法混色と減法混色で説明できます。Webデザインを学んでいる管理人にとって、この章は特に「使える知識」が多いと感じました。
- 色はなぜ見えるのか。光と色の基本
- 加法混色とは何か・三原色RGB
- 減法混色とは何か・三原色CMY
- スマホ・印刷物の色の仕組みで理解する身近な例
加法混色と減法混色を理解する前に。色はなぜ見えるのか
混色の話に入る前に、そもそも「色はなぜ見えるのか」を整理します。ここがわかると、加法混色と減法混色の違いがスッと理解できます。

色は光がなければ見えない
真っ暗な部屋では色は見えません。色が見えるのは光があるからです。
光は電磁波の一種で、人間の目に見える範囲を可視光線といいます。可視光線の短波長側のとなりは紫外線、長波長側のとなりは赤外線で、これらは人間の目では見ることができません。
波長が長いほど赤系の色に見え、短いほど青・紫系の色に見えます。虹の色が「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の順番に並んでいるのは、まさに波長の長い方から短い方への順番です。 (参考:公益社団法人 色彩検定協会)
物体の色が見える仕組み
光が物体に当たったとき、反射した光が目に届いて色として認識されます。
赤いリンゴが赤く見えるのは、赤い波長の光を反射して、他の波長の光を吸収しているからです。白い物体はほとんどの光を反射し、黒い物体はほとんどの光を吸収します。
つまり「色は物体が持っているのではなく、光の反射によって生まれる」ということです。この発想の転換が、混色を理解する土台になります。

加法混色とは「光を足すと明るくなる混色」
加法混色は光を使った混色です。光を重ねるほど明るくなるのが特徴です。
加法混色の三原色はR・G・B
加法混色の三原色はR(赤・Red)・G(緑・Green)・B(青・Blue)の3色です。
光を重ねるほど明るくなり、R+G+Bをすべて重ねると白(最も明るい状態)になります。光がゼロ=何も光らない状態は黒です。
2色を混ぜたときの結果はこうなります。
- R(赤)+G(緑)= Y(黄)
- G(緑)+B(青)= C(シアン)
- B(青)+R(赤)= M(マゼンタ)
- R+G+B= 白

加法混色の3種類
加法混色には3つの種類があります。
- 同時加法混色:色光を同じ場所に重ね合わせる混色。舞台照明が代表例。
- 併置加法混色:小さな色点を高密度で並べることで起きる混色。スマホやPCの画面がこれにあたります。近くで見ると小さなRGBの点が並んでいます。
- 継時加法混色:短時間に行われる変化を目が見分けられなくなることで起こる混色。コマを高速で回すと色が混ざって見える現象がこれです。

加法混色の補色関係
加法混色では、混ぜると白になる2色の組み合わせを補色といいます。
- R(赤)の補色 = C(シアン) R+C=白
- G(緑)の補色 = M(マゼンタ) G+M=白
- B(青)の補色 = Y(黄) B+Y=白

PCCSの補色(色相差12)とは別の概念なので、混同しないよう注意が必要です。 (参考:公益社団法人 色彩検定協会)
減法混色とは「色料を混ぜると暗くなる混色」
減法混色は絵の具やインクなどの色料を使った混色です。混ぜるほど暗くなるのが特徴です。
減法混色の三原色はC・M・Y
減法混色の三原色はC(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)の3色です。
色料を重ねるほど光を吸収する量が増えて暗くなり、C+M+Yをすべて混ぜると黒に近い色になります。
2色を混ぜたときの結果はこうなります。
- C(シアン)+M(マゼンタ)= B(青)
- M(マゼンタ)+Y(イエロー)= R(赤)
- Y(イエロー)+C(シアン)= G(緑)
- C+M+Y= 黒に近い色(Bk)

加法混色と減法混色の違いを一気に整理する
2つの違いをまとめます。
加法混色 vs 減法混色
- 加法混色:光を使う・混ぜるほど明るくなる・すべて混ぜると白・三原色はRGB
- 減法混色:色料を使う・混ぜるほど暗くなる・すべて混ぜると黒・三原色はCMY
「加法=足す=明るくなる」「減法=引く=暗くなる」という言葉の意味と結びつけて覚えると、名前から内容が思い出せるようになります。

スマホ・印刷物の色の仕組みで加法混色と減法混色を確認する
ここまでの知識が、日常の身近なものと繋がります。
スマホ・PCの画面は加法混色
テレビやPCのカラーモニタの画面上には、RGBの色点が細かく並んでいます。この色点の明るさを調整することでさまざまな色を表現しています。これが併置加法混色です。
スマホで写真を撮るとき、画面の設定はRGBで管理されています。Webデザインで色を指定するときも「#FF0000(赤)」のようにRGBの値で指定します。光を使って色を表現しているから加法混色、というわけです。
印刷物・絵の具は減法混色
カラー印刷は網点と呼ばれる小さな色点の大きさや配置によってさまざまな色を表現しています。減法混色の三原色CMYとBk(黒)によって構成されているのが基本です。
印刷データを入稿するとき、色の指定は「CMYKモード」で行います。WebデザインはRGB・印刷はCMYKという使い分けは、まさにこの加法混色と減法混色の違いによるものです。
なお、カラー印刷では減法混色と併置加法混色が併用されています。網点を細かく並べる(併置加法混色)×インクが色を吸収する(減法混色)という2つの仕組みが組み合わさっています。 (参考:公益社団法人 色彩検定協会)

色彩検定3級の光と色。加法混色と減法混色は使う素材で覚える
記事のポイントをまとめます。
- 色は光の反射によって見える。光がなければ色は見えない
- 加法混色は光を使う混色。混ぜるほど明るくなり、RGB全部で白になる
- 減法混色は色料を使う混色。混ぜるほど暗くなり、CMY全部で黒に近い色になる
- スマホ・PC画面はRGB(加法混色)、印刷物はCMYK(減法混色)
- 「光を足す=明るくなる」「色料を引く=暗くなる」という感覚で覚えると迷わない
加法混色と減法混色は、覚えてしまえば試験でも実務でも使える知識です。スマホを見るたびに「これは加法混色だ」と思い出すようにすると、自然と定着していきます。

次回・第6回は「色彩心理」をお届けします。色が人間の心理や感情に与える影響を、わかりやすく解説します。

